幼児の死亡事故で多い溺水。保育のプールで溺水防止に努めるために気配りすること

公開日:  最終更新日:2014/03/20  この記事を印刷する

 2009年8月、近隣の小学校のプールを借りて、5歳児19人を引率した保育士の、引率中の幼児の溺水事故をめぐる過失(刑事責任)を争う裁判報道を受けて、保育の中でのプールあそびにおける溺水予防について考えます。

まず、保育士の「監視(監督)責任」はどこまで及ぶのでしょうか。

以前より間違いなく、保育に関係した刑事事件は増加していますし、これからも増えていくでしょう。それは、これまでのように、事故の責任の所在について曖昧にすることなく、保育中の過失をはっきりと闘おうとする、保育園の利用者遺族が増えているからです。

津和野の園児死亡:保育士初公判 弁護人は無罪主張 /島根
 津和野町の町立日原小学校プールで町立日原保育園の永田菜織ちゃん(当時5)がおぼれて死亡した事故で、業務上過失致死罪に問われた同園保育士、宮島美由紀被告(52)の初公判が29日、松江地裁(吉井隆平裁判官)であった。宮島被告は「事実として違っている所は無いと思います」と大まかな事実関係を認めたが、弁護人は「保育士に刑事責任を負わせるべきものではない」と無罪を主張した。

 起訴状によると、宮島被告は09年8月18日、同小プールで同僚保育士と水泳保育した際に事故防止や監視を徹底してなかった、としている。同僚だった保育士女性(39)には益田簡裁で50万円の罰金刑が確定している。

 いわゆる「隣人愛」というか、善意で保育している多くの保育従事者にとって、保育中の意図しない事故で刑事責任が問われるということが当たり前になったら、保育をやりつづけようと考えられる人間が、はたしてどれぐらいいるでしょうか。

全く居なくなることはないと思いたいですが、「事故を起こすような保育をする人が悪いのであって、自分は関係がない」というような意識は捨てて、今から学び、理解して保育をしていく必要があることは間違いありません。

※この事件について、ここで述べることは、保育士を責めるわけでも、反対に擁護したり罪の重さをはかるようなこともなく、報道で把握できる事実から、どのように事故防止するべきかを考察します。

 まず、「保育士2名で、5歳児15人をプールに引率・指導」という状況は、『監視義務』以前に、大人二人で監視しつづけるには、どうやっても、かなりの死角が出てきてしまうことを認識できた上で、それを補う環境をつくっていくための事前の準備が最も大切です。

筆者の経験でも、保育者(幼稚園教諭)2名とプール指導員1名の計3名で、5歳児20人を引率したときは、コースロープも張って子どもの行動範囲を限定した上に、子どもの腰より上半身が水から出るように台座で底上げしてあったにもかかわらず、子どもをひとり溺れさせかけたことがあります。

プール「あそび」ではなく、プール「指導」という形式で、子どもたちをコースロープの中で並ばせていたこともあるし、大人3人からは、誰であっても、ひと掻きもすれば子ども全員に手が届く距離にあったにもかかわらず、子どもが水に足を捕らわれた瞬間は誰も気づきませんでした。

 この「子どもに手が届くほどの(近い)距離」というのは、家庭内や保育園、幼稚園内で起こる子どもの溺水事故において、注目するといい重要なキーワードだと言えます。大人が全く気づかないような場所、大人から遠く離れた場所で起きた事故より、手が届くところにいた、声が聞こえるところにいたにも関わらず、子どもが溺れたことに気づかなかった事故が、たくさん起こっているからです。

なぜ、そのような大人に近いところで溺れる事故が起こるのか、ぜひ一緒に考えてみてくださいね。(ヒントは、以下の、この話題に関するツイッターのつぶやきの中にありますよ)

保育士初公判 弁護人は無罪主張 http://t.co/KrXo7sG via @mainichijpnews プール溺水事故。保育業務に刑事責任が発生するとしたら、保育の担い手が減るのだろうか?

保育の事故防止:小学校のプールを貸切(?)5歳児19名を保育士2名で引率(島根のプール事故) – 情景が目に浮かぶようだが、これでは事故防止は運任せに近く、起きたこと自体納得

保育の事故防止(2):「監視義務」は借り受ける時点からはじまっていなければならない。たぶん引率者を増やす、小学校側の監視員をつけてもらうは不可能だろうから、見合ったプールの使用法を考える議論は必要。行っているだろうが議論されつくしていない可能性はないだろうか

人間の記憶とはすばらしいもので、溺水事故の防止について考えていたら、いろいろ、自分もプールで溺れさせかけてしまったことや、子どものころの自分が川で流されかけたことを思い出した。都合の悪いことは、すぐに忘れる・・・

貴重なお話をありがとうございます。浅くても溺れる、そんなことアリえないでしょう的なことにも意識を向けないといけませんね RT @takunitada: 15cm位の水深//パニックで立ち上がれずたちまちのうちに溺れて水を大量に

今だったら知っているから気をつけることもできます。溺れさせかけたときは、ほぼ真後ろに子どもがいながら、全く気づかないほど、偶然にも背中に子どもの手が触れなければ、誰も気づかないほど静かに溺れてました。それまでは何となくですが、溺れたら騒いでくれるようなイメージでいたんですよね

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