ケガに消毒液をつけることと医療行為との違いを応急手当の定義から考えよう

 保育園や幼稚園で応急手当について話題にすると、小さな擦り傷に、市販の消毒液をつけるぐらいのことはできるけど、それ以外のことは医療行為になるから、素人の保育者は行ってはいけないと、時おり信じこんでいる人に出会うことがあります。

それは根深く浸透している部分もあって、小さな擦り傷や切り傷に対して、消毒液をつける以外で実際に行なっていることはといえば、保育業界内で口伝えされている行為だけだったり、擦り傷以外は何をしたらいいのか判断できずに立ち尽くすという姿も見受けられます。

そういうことであるならば、応急手当の正しいやり方や、手当ての効果が高いといわれる方法について、いろいろと知る前に、まず、応急手当と医療行為との違いを、しっかりと保育者が認識しておくことから始める必要があります。

 この確認にもっとも適しているのは、蘇生術に関する国際合意に基づいて作成された、アメリカ心臓協会(AHA)の(米国版ともいえる)ガイドライン2010です。残念ながら日本版ガイドライン2010(暫定版)は、現在のところ応急手当には触れていません。

さらに、日本の医療現場の蘇生術において、AHAのガイドラインが土台になっている部分もあるので、そのガイドライン上での応急手当の定義は、とても重い意味をもつことになります。

AHA ECCガイドライン2010ハイライト日本語版より:

2010 年版の AHA/ARC の応急処置ガイドラインの目的として,国際応急処置学術審議会(International First Aid Science Advisory Board)では,応急処置をバイスタンダー(または傷病者)が医療機器がほとんど,またはまったくない状態で行える評価と処置と定義した。応急処置プロバイダーとは,応急処置,救急治療,または医学について正式な訓練を受け,応急処置を行う者と定義する。
http://eccjapanheart.org/ AHA ECC公式日本語サイト

この、ガイドラインにある応急手当の定義を踏まえて、特に、保育の中で行なう手当てに含まれるものについて、はては医療行為かと話題となりやすい病児、病後児保育の範疇について、次回に少し触れてみたいと思います。



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