保育園のおやつで出たリンゴの窒息事故がもたらす過失責任と賠償のあるべき姿

 保育園や幼稚園で出るおやつによる窒息事故は、子どもたちの生命をお預かりする人間にとって、とても多くのことを教えてくれます。事態の一面だけを見るのではなく、何が起きているのか全体を考察したいと思います。

【青森】 おやつのリンゴで窒息 1歳児四肢まひ

 八戸市の私立の認可保育所で2007年12月、1歳1カ月の乳児がおやつのリンゴ片をのどに詰まらせ、意識不明の四肢まひになる事故があり、市内に住む乳児と両親が今年2月、市を相手取り、慰謝料など3億4千万円の損害賠償を求める訴えを青森地裁八戸支部に起こした。八戸市が3日、市議会民生協議会に報告して分かった。

 市によると、乳児は市認可の私立保育所に07年4月に入所。同12月18日午前、保育士に与えられたリンゴ片(長さ約5センチ、幅約3センチ、厚さ約0.5センチ)をのみ込み、窒息状態になった。救急車で市立市民病院に運んだが、到着時には心肺停止状態で意識は戻らず、08年1月に低酸素性脳症と四肢まひと診断された。

 訴状で両親は「保育所での保育は本来、市町村が行うべき事務であり、保育中の損害は国家賠償法に基づいて市が損害賠償する義務を負う」と主張しているという。市は「私立保育所の事故で自治体が被告となる例はほとんどないようだ。国家賠償法に基づく賠償請求に困惑している」と話した。
http://www.asahi.com/ 朝日新聞社

 お断りしておかなければならないことは、現時点で記事に書かれたこと以上のことを知り得ているわけではありません。そして、法律に詳しいわけでもないので、個人的な想像で主だったところを書いています。係争中であり、お子さんも重い障害を負った案件なので、

気安く素人が触れるべきではないと思いながらも、かわいそうだね、窒息させないように気を付けようねというだけでは済ませていけないように強く思いました。ぜひ、一緒に考えていただきながら、間違ったところ、足りないところがありましたら、

読んでくださる皆さんの手で、どうぞ補足していただきたいと思います。

 まず、ツイッターでフォローしている方のツイートから、上記の朝日新聞社の記事を読んで、疑問がいくつか生まれ、下記のようにつぶやき返しました。

1) ん~こうなるとお金でしか賠償できないしなぁ。でも、この大きさ、普段の咀嚼力から判断つかなかったのか? RT @sanga_kodomo_en: おやつのリンゴで窒息1歳児四肢まひ http://t.asahi.com/1i6z 通常はその半分くらいだと思う

2) 認可園だからということでなく、保育に対する運営費の多大な補助よりは、こういったときの国家賠償こそ必要な気がします。でも、たぶんこれ民事ですよねぇ RT @sanga_kodomo_en: おやつのリンゴで窒息1歳児四肢まひ http://t.asahi.com/1i6z

3) 「到着時には心肺停止状態」病院到着寸前に心肺停止か搬送時には停止していたのか。1歳の心肺機能なら、搬送時または救急隊が現地に到着時はすでに? RT @sanga_kodomo_en: リンゴで窒息1歳児四肢まひ http://t.asahi.com/1i6z

4) 大人の窒息などによる気道閉塞で心肺停止に到るまで、だいたい10分ぐらいと聞いているが、1歳児はどれぐらいだろう?

5) ただ、りんごの大きさのリスクも配慮できないぐらいなのだとしたら、窒息時の救急法ができたとか、迅速な通報などは望めなかった可能性のほうが高いのか、な

6) りんごに限らず食のリスク、特にアレルギーでもなく「大きさ」とか堅さってことになると、ファーストエイドの予防の範疇以前の、養育、観察で補われ、当然、保育士としては・・・いや「当然」がないから事故が起きるのか #hoiku

・・・(ツイートはここまで)

 ツイッターにつぶやいた時点で考えたことは、リンゴの大きさや1歳児が誤って(?)リンゴをよく噛まずに飲み込んでしまった事態を招いたことは、ひとまず横に置いて、窒息に気づいた瞬間から職員が何をして、どの時点で心肺停止をしたのかが1点。

そして、ご遺族の両親が国家賠償法を持ち出すにいたった背景の2点でしたが、前者については、毎日新聞の記事の方にくわしく書かれてありました。(市への訴訟以前に、すでに社福に対して係争中なので、状況は正確と思われます)

賠償提訴:子供の障害事故、両親ら「八戸市も責任」 /青森

 八戸市内の私立保育所で07年、リンゴをのどに詰まらせて一時窒息状態になり、重い障害が残ったのは、業務委託した市にも責任があるとして、子供(当時1歳1カ月)と両親の3人が3億4000万円の損害賠償を求める民事訴訟を青森地裁八戸支部に提訴していたことが3日、明らかになった。

 市議会民生協議会で市が報告した。

 市によると、07年12月18日、保育所で保育士がくし形に切ったリンゴ(長さ約5センチ、幅約3センチ、厚さ約5ミリ)を子どもに与えたところ、誤ってのみ込んで気管を詰まらせた。保育所側はリンゴをかき出すなどして病院搬送も手配したが、搬送時は心肺停止状態で、低酸素脳症や手足のまひなど後遺症が残った。

 訴状では、保育は市町村が行う事務であり、その権限を保育所に委譲し、保育の最中に発生した損害は国家賠償法に基づき、市が損害賠償責任を負うと主張している。

 市は「賠償義務があるかどうかを含め、弁護士と相談して対応したい」と話している。子どもと両親は09年4月、保育所を運営する社会福祉法人に3億900万円の損害賠償を求めて提訴し、係争中。【松沢康】
http://mainichi.jp/ 毎日新聞

窒息に気づいた瞬間から職員が何をして、どの時点で心肺停止をしたのか?

「リンゴをかき出すなどして病院搬送も手配し」、「搬送時は心肺停止状態」だったということのようです。次回に、具体的に行われた行為を踏まえて考察を進めていきたいと思います。



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