幼稚園や保育園という環境でリスクなくエピペンを保管し代理注射するための考察

 エピペン(アナフィラキシー症状を緩和する緊急時の補助治療剤)を、アレルギー対応ガイドライン(案)に従って、保育園や幼稚園で使用することになった場合のリスク管理について考えていきたいと思います。

※幼稚園職員については、2008年4月25日に文科省から、児童に対する教職員一般のエピペン(代理)注射を認める通達があったことにより、一応、可能な状況にはあったと考えられますが、たぶん全国的に保管をふくめ実施したケースはなく、今回、保育園と同時に検討される可能性が予測できます。

 前回、保育園や幼稚園でエピペンを受託し、場合によっては代理使用を約束した場合、普段にも増して法的な「注意義務」が科せられ、その対応後の事態によっては、園や職員に対する重い過失責任を問われたり、傷害事件に発展する可能性があることを書きました。

それは、アナフィラキシーが決まった原因(アレルゲン)で発症するものの、それはハチ毒だったり、食物アレルギーだったり、その原因物質によって、発症するタイミングや場所などが変わってくるため、限定的でありながら、思いも寄らない場面での発症に、処置する保育園や幼稚園職員がパニックに陥る可能性を大いにもっているためです。

だからといって、保育士がエピペンを代理使用することに無理があるといっているわけではなく、エピペンが必要とされていて、効果も認められている薬剤だからこそ、

さらに安全に、そして適切な使用が求められるということを、保育関係者はしっかりと受け止めた上で、保育現場ならではの視点を合わせ持って対策を考えていく必要があると思います。

具体的にアナフィラキシーが起こり得る状況について考えてみましょう。

 一般に、アナフィラキシーショックの名前を多くの人が知ったきっかけといえば、たぶん「ハチ毒」ではないかと思います。毒をもつ種類のハチに、年齢を問わず一度刺された経験をもつ人の場合、同じ種類のハチに、再び刺されるようなことがあったときに、

アナフィラキシーというアレルギー反応が出ることがあります。

ハチに刺されて、2回目以降に必ずアナフィラキシー症状が出るわけではありませんが、そういったアレルギー反応が出る可能性そものものは、誰でも持っていると言います。

そして、ハチ毒でアナフィラキシー症状が出る可能性をもった人も、同時に食物アレルギーをもってしまっている場合を除けば、食物を食べたときといった、ハチに刺される以外の場面や原因でアナフィラキシーの症状が出るようなことはないものとされています。

 そのように、決まったひとつの原因(アレルゲン)でのみアナフィラキシーの症状が発症するため、アレルゲンが「ハチ毒」と分かって、エピペンを預かる場合には、ハチを避けるようにするとか、万が一の場合も、ハチに刺されたときにエピペンを使用すればいいと、

事前に心構えができるといった、一見、エピペンを使用する場面が限定されていて、その扱いは難しくないように思えます。ただ、保育園や幼稚園で、大人が子どもたちの近くにいるときばかりに限って、ハチが現れるかといったら、そのようなハズがありません。

次回は、子どもがハチに刺された場面を、園職員が見ていなかったときの扱いの難しさや、ハチ毒と食物アレルギーでアナフィラキシーが出るタイミングの違いを見ながら、そこで必要な対処について、一緒に考えてみていただきたいと思います。



“幼稚園や保育園という環境でリスクなくエピペンを保管し代理注射するための考察” への1件のフィードバック

  1. nurseryonline より:

    幼稚園や保育園という環境でリスクなくエピペンを保管し代理注射できるかの考察 – http://goo.gl/CkVNk 集団生活では、様々な場面を想定してリスク管理していきましょう #hoikuen

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