子ども自らが生き残れる力を育むと同時に保育士は生き残ることが救助者の鉄則

 3月11日を迎えて以降、たくさんの保育園や幼稚園で避難訓練のあり方を見直したことと思います。年間の避難訓練の回数を増やしたという話も聞きましたし、保護者参加のお迎え訓練の方法を見直した園もありました。

そこで子どもを引率する保育士の基本についても見直してみたいと思います。

「幼い命」救おう 幼稚園・保育園、被災対策見直し進む

 東日本大震災では、宮城県石巻市で幼稚園バスが津波にのまれて園児が亡くなるなど、幼稚園や保育園も被災した。小学生より足が遅く、大人の手助けなしに避難することが難しい幼児を、いかに早く安全な場所まで連れていくか。高知県の各園では避難場所や方法の見直しが進んでいる。
(引用:asahi.com記事2011年9月24日17時43分)

 具体的に子どもたちを引き連れているときの様子を想定して、避難場所や誘導方法について見直していくことは、とても大切なことだと思います。今回の災害は、決められていた事柄を疑わずに追従する怖さを、保育士に限らず多くの人間に教えてくれたと思います。

行政が決めた避難所に行くことになっている、地図で描かれた避難路を通ることになっている、そしてお迎えに来てくれる、または引き連れていくことになっている。その実現性がどれだけのものか、まずは担当する保育士自らが確認する行為こそが求められます。

3~6歳の約120人が通う同市緑ケ丘1丁目のあとむ幼稚園もその一つ。同園は海岸から約1.2キロ、標高約9メートルにあり、現在の市の想定では津波は到達しない。しかし想定外の津波に備えて、園から北へ約350メートル離れた高台へ逃げる訓練を始めた。

 保育士自ら考えたあとは、実際に園児を引き連れて、「避難路を歩く」という行動を訓練に取り入れることで初めて分かることもあったのではないかと思います。そして行動することによって、実は『自分自身が何が想定できているのか』を知ることにもなります。

仮に津波が市の想定を越えて押し寄せてくることは、とても恐ろしいことですが、避難者にとって本当に怖いのは、津波が到達するか、しないかではなく、津波のことしか「想定(する事柄)」の中に組み込まれていないことではないかと思います。

 現在は避難コースに慣れてもらおうと、訓練の数日前から「お散歩」をかねて3、4歳児を連れて避難経路を1、2回は歩くようにしている。途中には坂道や分岐があるが、浜崎教頭は「最終的には、先生たちに何かあったら、自分たちで行きなさいと言えるようにしたい」と話す。

 さぁ、ここからがとても重要です。

「先生たちに何かあったら、自分たちで」生き残る術を身につけさせることは、災害に限らず、大まじめに教育の目標ともいえます。それぐらい大事なことですし、災害には本当に何があるか分からないわけですから、けっして考えすぎではないでしょう。

ただし、園児と一緒に生き残る最善の策を施した上でのことでなければなりません。

 救急法における救助者の基本は、第一に自らの身を守ることが求められます。決して間違えていけないのは、保育士も避難者ですが、手元で園児を引率している限りは、

保育士は園児にとっての、まぎれもない救助者です。

「自分たちに何かあったときのために」と考えることは、よほどの覚悟と重い使命感を感じてのことのように思えますが、さらに厳しいことを言えば、保育士自らを単なる避難者のひとりとしてしか見ていないから・・・というのは言い過ぎでしょうか。

街中での避難訓練は、逃げることを練習しますが、保育園や幼稚園の避難訓練は、逃げる練習はもとより、保育士や幼稚園教諭が園児を逃がし、救ける訓練を、そのために適切に自らの身を守る術を考えていただくことを、まずお願いしたいと思います。



“子ども自らが生き残れる力を育むと同時に保育士は生き残ることが救助者の鉄則” への1件のフィードバック

  1. 子ども自らが生き残れる力を育むと同時に保育士は生き残ることが救助者の鉄則 – 日本保育園心理士協会 http://t.co/wwZedPvD 保育士も避難者ですが園児にとって、まぎれもない救助者です。避難訓練は逃がすことと救けることも組み入れて下さい #hoiku

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