エピペン(緊急アレルギー用自己注射器)とガイドラインの保育園向け勉強会について
厚生労働省から、2011年3月に発表されたアレルギー対応ガイドラインと、そのガイドラインで勧告された、保育園職員が緊急アレルギー用自己注射器「エピペン」を代理で取り扱う方法や、その周辺事情を学ぶための保育園向け勉強会です。
近く保険適用されることが決まり、ますます幼児についてのエピペンの処方も増加すると考えられますので、保育園での早めの対策をおすすめします。
※ 自由診療対象だったエピペンが、2011年9月22日から3割負担の健康保険適用で実際に処方されるようになりました。

食物アレルギーを中心として、保育園児の中にも、年々アレルギーを発症するお子さんが増加していることが伝えられています。それに伴い、エピペンを処方される子どもも、ますます低年齢化が進んでいます。
そのような背景から厚労省がガイドラインを発表するに至りました。
みなさんはアナフィラキシーショックをご存知でしょうか?生命にも関わる重度なアレルギー反応のことを言います。そして、そのアナフィラキシーショックを起こした場合には、発症から30分以内にアドレナリンという薬を注射しなければ助からない場合があります。
重度なアレルギー反応を起こした保育園児は、予防のため、アドレナリンを注射するためのエピペンを専門の医師から処方されることが当たり前になりつつあり、保育園に対して、保育園に持参し携帯する旨の要望を出す流れになります。

ちなみにエピペンは、医師や、処方された子どもの親以外は患者自身で打つ「自己注射器」ですが、学校に登校しているときに限って教職員も、発症した児童に代わって注射を行えることが文部科学省からのガイドラインで認められています。
その文科省のガイドラインを参考にした、今回の厚生労働省によるガイドラインが作成されたことによって、保育所内におけるエピペンの代理使用が保育園職員に奨励されるようになりました。(まだ、従来通りの通報と搬送を重視する方法も併記されています)
現段階で保護者からエピペンの管理を依頼されても、各々の保育園の判断で断ることはできます。しかしガイドラインができた以上は、保育上の責任として、注射することも選択肢に含めた適切な行動が、保育園職員に義務付けられたものと考えて間違いありません。
決して勘違いしていけないのは、
保育園の看護師だけに課せられた義務ではないということです。保育園職員全ての人間の手の中に、「園児の命を救う責任」が握られているという自覚が必要でしょう。

公立の認可保育園を中心にして、保育園勤めの看護師さんも少しずつ増えてきています。看護師を配置している園では、保育の補助以外に、まだ園児の健康管理や薬の投与などを看護師に一任していることも珍しいことではありません。
そしてエピペンは、園児のカラダに注射する「医療器具」であることから、もし使用する場合でも保育園に看護師がいるのであれば、当然のように看護師だけが取り扱うと考えている保育士や保育園関係者が、かなりたくさんいるはずです。
それは、非常に危険で勝手な思い込みです。
なぜなら、そもそも法律上、病院に勤務していない看護師に、(しかも医師の指示もない状況での)医療行為は認められていないからです。もちろんエピペンも、「保育園職員」のひとりとして保育園に勤務する看護師が保育の中で代理注射をすることを許されるだけで、
看護師だから「行なってよい」ということではないからです。
※ 例え保育園職員であっても、休暇中の行為は認められていないので注意が必要
そして、ひと園にひとりか二人配置されていればいい方の看護師だけで、即時行動を必要とするアナフィラキシーショックの対応を任せきれるはずもないことからも、担当保育士を基本とした、職員全員による対応が求められています。
エピペンとガイドラインの保育園勉強会の内容
本勉強会は、あくまでも自主的な「勉強会」であり、製造元やエピペン処方医による講習などではないことは、あらためてご確認ください。さらにエピペンにまつわる、物品や思想を押し付けるようなものでは一切ないこともお約束いたします。
では、何のための勉強会なのか。
もともと医療行為との境目の判断や、各種薬剤の取扱いについて慎重な立場の方々が多い保育業界ということもありますので、とりあえず緊急時の救急通報のみを大前提にしてエピペンを預かることは、
保育園利用者やお子さんたちの事情を汲んだ方向性のひとつと評価できると思われますが、「とりあえず」という姿勢は反対に、法的にも、ガイドラインが発表された意味合いからも、若干、実情に反して危険な行為だと危惧しているところでもあります。
しかし、それぞれの保育園の方針や保育関係者の中にも、いろいろなお考えがあるので、「エピペンが誰でも上手に扱えるようになります!」といった講習会の形ではなくて、
アレルギー対応ガイドラインの全体像から、エピペンの使用の注意点や法の解釈のあり方までを通じて、あらためて保育の安全性や環境づくりというものについて整理することをゴールとした、分かりやすくスライドを観て話しあう座学形式の勉強会です。
全体で、質疑応答までを入れて1時間半程度を予定しています。


