4月17日(日)10時~18時終了予定(終了。御礼)5月29日(日)10時~18時終了予定(終了。満員御礼!)
~~ 追加開催決定 ~~6月12日(日)10時~18時終了予定(終了。満員御礼!)6月26日(日)10時~18時終了予定(終了。満員御礼!)
保育安全対策セミナーは、保育中に子どもが小さなケガをする事故があっても、命にかかわる深刻な事態を招かないための高度な応急処置を効率よく学べるセミナーです。応急処置は、善意による行為と、仕事上の安全管理義務から行なう行為の、2つにわかれます。保育士や幼稚園教諭といった保育施設勤務の職員が行なう応急処置は、後者の、安全管理義務が基本にあることになります。
比較対象 | お母さんが我が子を助ける場合 | 見知らぬ子どもを街中で助ける場合 | 保育者が保育する子どもを助ける場合 |
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動機 | ・愛情 ・親としての社会的責任 | ・善意 ・大人としての社会的責任 | ・契約で発生した注意義務・安全配慮義務 ・国家賠償法・学校安全法・保育指針に関連する |
モチベーション | ・自分の命に代えても助けたい | ・とりあえず放っておけない | ・笑顔でお引渡しする ・予防できる事故に対して対策することが仕事 |
求められる技能 | 胸を押すなど、救急隊に引き渡すまでできることをする | 救命が望ましいが、本人が特に何もしなくても仕方がない | 適切に緊急通報し、必要に応じて人工呼吸まで行なえることが望ましい |
訴訟 | 何もできなくても、罪に問われることはない | 直接的な行動でなくても、対応が間違っても責任は軽減される | 対応しなかったり、説明も含め対応に適切さを欠くと過失割合を問われる |
大ケガなどを負った子どもに対して、愛情を動機とした親の応急処置と、仕事上に発生する、法的な安全管理義務に基づいた応急処置とでは、上記の表のような違いが生まれます。「我が子を自らの命に代えても助けたい」といった気持ちからくる行動であれば、その場でできることが行なえればいいし、たとえ何もできなくても法的責任を問われることはありません。
それに対して、保育中に起きた深刻な事故に対して、安全管理義務が課された保育施設職員が行なう応急処置には、気づくのが遅かったり、緊急通報をしたほかは救急隊がくるまでの間は何も行動しなかったなど、そのプロセスの適切さや、質の高さが問われる一定の責任が付いてまわり、近年では保育事故の遺族から訴訟が起こされるケースが増えています。
ポイント1.保育の仕事の安全管理義務に準じたセミナーです
これまで保育の事故によって、実際に子どもたちの命が保育現場で失われています。全国の関連訴訟では、被告の保育の質うんぬん以外にも、保育の見守りにおいて何に注意しなければいけないかが、多くの判例で具体的に示されています。そこから保育関係者が学んで、これからの保育を見直すことで、次の深刻な事故を防げる可能性が間違いなく高まっていきます。
保育安全対策セミナーでは、保育の事故のたびに言われる「注意義務」とは何かを、あらためてヒモ解きながら、子どもを守り、保育を継続していくために必要な備えと、求められる高度な知識について、初めて聞く方にも判りやすくご提供していきます。
医療者に並ぶほど大きい保育者など【一定頻度者】の社会的役割
大人をふくめた心停止は、過半数の 52%が自宅や保育園といった病院の外で起こっています。1年間の AED の使用ケースのうち、偶然にその場に居合わせた人間が使用したのは、たった 「4.3%」のみで、残りの約 96%は医療関係者のほか、保育者など、その場において職業として対応が義務付けられた立場の人たちでした。
厚生労働省が指定する【一定頻度者 ※】に該当する者は、高度な応急処置スキルを習得していることが期待されます。しかし、保育園や幼稚園での応急処置の実施状況を見ると、発生数に対して2割程度ととても少なく、窒息を招いた不慮の事故においては、残念ながら「0%」と、実際に毎年、毎年、食事や睡眠中のほか、プールの溺水などによって子どもの命が失われています。
幼稚園・保育園における応急処置実施状況(平成20年中)
搬送理由 搬送傷病者数 応急手当実施件数 疾病 308 6 (1.9%) 創傷 138 4 (2.9%) 墜落・転倒 44 1 (2.3%) 異物・窒息 6 0 (0.0%) 熱傷 2 1 (50.0%) その他 10 0 (0.0%) 参考:東京消防庁の救急搬送データ
※【一定頻度者】とは、客室乗務員や警察官などと並んで「職務上」AEDを使用する可能性のある学校教職員(幼稚園教諭)、保育士、ほか体験活動の指導者・リーダー、自然ガイド等がこれに該当します。さらに蘇生ガイドラインでは、日ごろから子どもたちに接している保育者については、大人とは異なる、子どもの特性に合わせた応急処置スキルの習得が望ましいとされています。
保育の安全管理に大切なリスクマネジメントの考え方
保育のリスクマネジメントとは、安全管理のためだったら子どもに何もさせないのでは、決してありません。理解をしておかなければいけないことは、たとえば子どもと川遊びをしていて、落ちて水にぬれる程度は問題ないと考えて、とりたてて事故対策を行なわずにいたら、溺れて亡くなってしまうということがあるのが事故です。
事故が起きてしまってからでは、結果については誰もコントロールができないので、まず、子どもの命が失われるような最悪の事態を想定して、リスクに対する事故対策を立てた上で、何もさせないのではなく、子どもの主体的な活動として、価値がうまれるように、保育方針にてらしてバランスをとることが安全管理の目的になります。
安全とのびやかな保育は両立します。奪うばかりではないかと悩んだときは、バランスをとるのと一緒に、あそびが目的化していないか振り返ることも大切です。計画したあそびが行えなくとも、保育のねらい(目標)を叶える代替案(手段)が出てくることでしょう。
ポイント2.安全と同時に子どもが伸びやかに過ごす、たのしい保育の実現を応援します
残念ながら子どもの、不慮の事故の全てを無くすことはできません。しかし事故の全てを無くせないまでも、予防に努めることで、子どもの命が失われかねない重大な事故を減らすことができます。しかし、その「予防に努める」にあたっては、子どもの活動を規制するばかりで保育が阻害されるのではないかという不安から、安全な保育環境づくりと、子どもがのびやかに過ごす保育活動とのバランスに悩む保育者は少なくありません。
子どもの運動あそび(特に野外活動)や、たとえば刃物などをつかった活動などには、ケガをする、事故に合う可能性(リスク)がともないます。リスクは、子どもの自主性を尊重した、チャレンジングな要素が大きいほど、比例して大きくなることがあります。しかしリスクの大小とは、その「チャレンジングな要素」と、活動にあたって、保育者から「見えていない、気づかない危険な要因」との掛け合わせが影響しているので、この両者のバランスをとることで、リスクを小さくして、子どもの活動の教育効果を、最大限に高めることができるようになります。
保育安全対策セミナーでは、実際に子どもの活動にありがちなリスクを発見する演習ワークを行ないます。発見したら、参加者同士で互いの考えを深め合いながら、発見したリスクの大小を的確に評価する目を養います。その評価したリスクの大きさに応じた、適当な対策を導き出すフレームワークをつかったトレーニングによって、子どもたちが安心して、のびやかに過ごせる保育環境をつくるための、リスクマネジメントの入り口に触れていただきます。
これまでの応急処置講習の受講者の声
- 本日の講習内容はいかがでしたでしょうか。
実践的な気道の確保の仕方や人工呼吸を学ぶことができたので、講習を受けてよかったと思いました。実際に体験してみることで分からなかったことを確認することができました。 - 本日の講師はいかがでしたでしょうか。
分かりやすかったです。 - 全体的なご意見・ご感想
知識があるのと、ないのとでは全く違うと思いました。仕事場で働く上で大事な知識であると思います。危機管理などまだ何が起こるか分からないが、これまで以上に気をつけたいと思いました。
- 本日の講習内容はいかがでしたでしょうか。
心肺蘇生法などの実技的なこともわかりやすく知ることができたし、事故、ケガ予防も職員間で統一していかなきゃいけないんだと感じた。 - 本日の講師はいかがでしたでしょうか。
とてもわかりやすく教えてくださったので、とてもためになりました。 - 全体的なご意見・ご感想
普段は、そこまで、事故のことなど本当に真剣に教えていないので、しっかりとこれからは教えていきたい。
ポイント3.保育の専門性を高める応急処置を習得していただきます
小さな子どもの死亡原因は、病死といったものよりは、『不慮の事故』が多く、その中でも交通事故を除けば、溺水をふくむ窒息や転落事故の割合が何十年と変わらず高い状況です。普段の何気ない出来事の中で、必然と偶然が重なり一瞬にして子どもたちの命を奪っていきます。
その状況は保育現場も同じです。ケガの種類でいうと、引っかき傷や噛み傷、転倒、転落事故のようなものが目立ちますが、子どもの命が失われるような重大な事故の多くは、窒息や溺水といった、「息ができないことによって死を招く事故」です。それに対して、保育現場では全くというほど再発防止策に無頓着で、毎年、子どもの命が失われています。日常的に子どもと接する人にとって子どもの事故の背景を知り、事故が起きたときに適切な応急手当ができることが求められています。
応急手当初心者の方も無理なく子どもの事故に対応できるようになる、乳幼児の一次救命処置法(PBLS)を中心とした、LSFA-Children's「こどもの事故と応急手当」認定講習プログラムを組み込んでいます。(※希望者には、オプションで認定カードを発行いたします)
緊急性の判断と初期対応の学習が最も効果的
実際には応急処置の中でも、はるかに使用頻度の高い「緊急性の判断」を身につけることが推奨されます。目の前の状況から「今、傷病者に近づくべきか」にはじまり、「救急車を呼ぶべきか」「病院へ連れて行くべきか」更には「判断がつかない場合にはどう行動すべきか」についても学習し、実践的なトレーニングを積んでおくことで、様々な傷病に適切に対応できるようになることが期待できます。
※「緊急性の判断」は、対応できる応急処置のバリエーションを増やす事よりも優先度が高いと言えます。それは、医師免許を持たない救助者が、誤った判断基づいて不適切な応急処置を施してしまうリスクを避ける事にもつながります。
ポケットマスクを使った質の高い人工呼吸の練習
セミナーでは、オプションでポケットマスクという感染防護具を使った人工呼吸法も練習することができます。傷病者の口から吐血や吐物があっても傷病者の救命に努めることができ、同時に自分の身を守ることができます。
ポケットマスクは医療者も使います。ポケットマスクがなければ、状況によって人工呼吸を行なってはいけない場合があります。しかし子どもの傷病者に対して人工呼吸は省きたくない手順です。いつでも質の高い人工呼吸ができるようにポケットマスクを使った人工呼吸を学びましょう。
心肺蘇生法の練習は納得いくまでできたが、基本となる手順を覚えただけで、いざ現場で救急場面に遭遇したら練習通り本当に動けるか不安という参加者の声に応えて、複数の事例モデルを参照しながら、参加者同士協力し合って考え行動するシミュレーション学習も行ないます。
修了時に発行したライセンスの有効期限内であれば、納得いくまで無料で見学や復習参加をしていただけます。復習参加は、練習用マネキンに余りがある場合に限り受講生と同じようにマネキンを使って練習を行なうことができます。
少人数のクラス形式なので参加者の体験などに基づいた事例ケースでディスカッションして深めます。シミュレーションをしてみても一回の講習だけでは、まだ不安という方には気軽な再受講の機会も設けています。
保育安全対策セミナーの講座概要(日程やキャンセルについて)
開催日時 | ・ ・ ・ |
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募集定員 | 最大 8名(最小開催人数:2名) |
予定会場 | 東京都 渋谷駅から徒歩 5分のセミナー室 |
受講対象 | 保育士や保育園看護師、幼稚園教諭、保育ママや学童保育スタッフなどの保育施設勤務者、 保育に関わる医療従事者ほか施設勤務希望の社会人および保育学生。 ※ベビーシッターなど訪問保育事業者の方も受講いただけますが、 別途、企画しております「訪問保育事業者向けコース」もご検討ください |
使用テキスト | |
テキスト代 | 2,000円(受講料、消費税は別途かかります) |
筆記試験 | 15分程度を予定:安全管理についての知識を問う内容。 セミナーを受けていただければ、どなたでも答えていただける内容です |
実技評価 | 常にインストラクターにご確認いただけます |
キャンセルについて | ・開催日14日前~8日前(今回は4月9日ふくむ) テキスト代および送料 ・開催日7日前~3日前(今回は4月14日ふくむ) 受講費の50 %(テキスト代別) ・開催日の前々日、前日および当日 受講費の全額(100 %) |
開始・終了予定時刻
90分 × 4コマ(間 10分休憩有)お昼休憩 1時間
参加費および保育安全対策セミナーお申込みはこちら
参加費: 6,600円
(内訳:受講料 4,000円 + テキスト代 2000円(+消費税))