保育事故と応急手当 LSFA-Children's 認定講習:子どもは小さな大人じゃない

2014年3月8日

 小さな子どもの死亡原因は、病死といったものよりは、『不慮の事故』が多く、その中でも交通事故を除けば、溺水をふくむ窒息や転落事故の割合が何十年と変わらず高い状況です。普段の何気ない出来事の中で、必然と偶然が重なり一瞬にして子どもたちの命を奪っていきます。

保育者のように日常的に子どもと接することを仕事とする場合は、子どもの事故の背景を知り、事故が起きたときには適切な応急手当ができることが求められています。そこで応急手当初心者の方も無理なく子どもの事故に対応できるようになる、乳幼児の一次救命処置法(PBLS)を中心とした「こどもの事故と応急手当」認定講習をご紹介します。

子どもの応急手当講座 LSFA-Children's

 子どもを守るためにひとつでも多くの不慮の事故をなくし、万が一のときには子どもに最善の応急手当を行ないたいと誰もが思います。しかし子どもの事故はいつ、どこで発生するか分かりません。それぞれに十分に予防に努めていたつもりでも、思いもしないところで考えもしないような出来事が突然起きる可能性があるのが子どもの事故です。

残念ながら子どもの不慮の事故の全てを無くすことはできません。しかし事故を無くせないまでも日ごろから安全対策に努めることで、子どもの命に関わる重大な事故の発生を減らすことができます。保育で子どもが小さなケガをすることはあっても、保育者に見守られ、子どもたちが元気な笑顔で日々を過ごす保育環境となるように目指すことはできます。

応急手当講座 LSFA-Children's を学ぶ目的

LSFA-Children'sとは、日本発祥の、子どもの傷病者に対する応急手当を専門とした普及プログラムです。一般市民向けとしては唯一、日本における子どもの事故データを詳細に分析して、日本版蘇生ガイドラインのもとにプログラムを更新し続けています。

応急手当を学ぶ目的のひとつに、子どもの命に関わる重大な事故の再発を防止することが挙げられます。どのような事故や急病であっても予防に勝る対策はありません。子どもの重大な事故を予防するためには、社会全般で数多く起きている子どもの事故の背景を知って、保育を実践するときに子ども特有の要因に合わせた安全対策を施すことが大切です。

子どもの事故に対する適切な応急手当を学ぶ

 加えていざという時のために、いろいろな状況に対応できる応急手当ができることが望ましい姿です。しかし一般的に行われている救命講習は、まだまだ大人の事故の対応方法ばかりを取り扱っていて、オマケ程度に「子どもの場合はこうしましょう」と付け加えているだけです。子どもは「小さな大人」ではないので、子どものための応急手当が求められます。

子どもの事故で適切な応急手当が実践できるようになるためには、子どもを模したマネキンの心肺蘇生の模擬練習はもちろんのこと、シチュエーションによって変化する応急手当の手順が理解できて、状況が変化しても動けるようになる講習を受講してください。

L.S.F.A.-Chldren's コース概要・主な講習内容

http://www.ne.jp/asahi/master/lsfa/step2.html

先に言われてみると、誰もが笑ってしまうほど当たり前に感じることかもしれませんが、応急手当を必要とする子どもの全てが最初から心臓や呼吸が止まっているわけではありません。いろいろな形で事故が発生し、時間の流れの中で変化をしていきます。

それは応急手当の方法が決してひとつではなく、事故ごとに違う症状であっても対応できる多くの技術を必要とすることを意味しています。実は、それこそがとても難しいことですが、少しでも早く判断し適切に対応することが苦しむ子どもを救うことになります。

応急手当講座 LSFA-Children’s の効果的な練習方法

 LSFA-Children's 講習は、二人の受講者に1体の練習マネキンを用いて進められます。二人組の内のひとりの受講者が公式テキストの定められた項目を読む読み手となり、もうひとりが順序通りに実技練習を行ないます。読み手は、自分の声を耳で聴いて、読んだ通りに進むパートナーの実技を目の前で見ることで、頭の中に印象深く記憶していくことができます。

練習する受講者は、読み手が読んだ通りに進めるだけなので、手順に迷う必要もなく実技練習に集中することができます。インストラクターのデモを思い出しながら形だけ真似て練習するのに比べて、読み手に客観的に評価してもらいながら練習するので、誰もが質の高い応急手当の技術を気軽に身に付けることができるのが、LSFA-Children's 認定講習の大きな特徴です。

LSFA-Children's 受講者は救急現場で応急手当を教えられます

119番してから救急車が現場に到着するまで、都心で8分以上かかります。重大な事故で継続して応急手当を行なうためには、独りで行なわずに複数の人で手助けしあうことが重要です。しかし周りに居る人全てが応急手当をできるとは限りません。残念ながら知らない人ばかりかもしれません。そんなときどうしたらいいでしょうか、諦めて独りでやりますか?

そのようなやりかたは決して勧められません。周りに居たやり方を知らない人たちに対しては、LSFA-Children's 認定講習で読み手となった経験、そして客観的に評価されながら練習した体験が生かされます。受講したあとは、応急手当を知らなかった人や自信のない人に対しても、その場で応急手当のやり方を伝えていくコツを自然につかんでいることでしょう。

応急手当講座 LSFA-Children's の特徴

 助けようとした大人が状況を確認したくてケガをした子どもに尋ねても、大人のように訊かれたことに上手く答えられないこともあるでしょう。優しく子どもの気持ちを落ち着けるように寄り添ったり、保護者の理解と協力を得るように周りの大人に声をかけることで初めて、救護活動が上手く回り始めるのも子どもの事故対応の大きな特徴といえます。

LSFA-Children's 認定講習では、ケガを負った子どもとの接し方もふくめて効果的な応急手当の方法であったり、赤ちゃんから大きな子どもまでのケガや病気の見守り方から、命にかかわる深刻な事態に備えての心肺蘇生までをトータルに学べる希少なコースです。

LSFA-Children's 講習テキスト「こどもの事故と応急手当」

受講時には公式テキスト「こどもの事故と応急手当」を購入していただく必要があります。公式テキストは講習のためだけではなく、小さなケガや火傷の手当方法といった医科学の根拠に基づいた応急救護をトータル的に学ぶ書籍としても、受講後に十分に活用いただけます。

また、受講後に「実技講習で練習した項目はどこだったかな?」と迷っても大丈夫なように、知識として知っていてほしい項目は白いページに、練習するためのページは黄色いページと目的に応じてページが色分けされています。どこに書いてあったか分かりやすので、受講時だけ使ったきりでテキストを開いたことがないということもなくなります。

LSFA-Children's 認定講習の概要

コース内容認定条件に準拠
標準時間約6時間(CPR認定講習のみの場合)
受講対象お子さんの急病や不慮の事故に備えたい
お母さん、お父さんや保育士・幼稚園教諭、養護教諭ほか、
小児に関心のある看護師さんまで
どなたでもご参加いただけます
使用テキストこどもの事故と応急手当
筆記試験行ないません
実技評価常にインストラクターにご確認いただけます
テキスト代2,100円(受講料とテキスト代別)
認定カード
有効期限
CPR TRAINED(心肺蘇生バイスタンダー)
2年間

受講者には LSFA-CHildren's 公式のCPR(心肺蘇生法)バイスタンダー認定カードを発行します。(認定カードは後日、お手元へお届けいたします)

LSFA-Children's 認定講習の開催団体のご紹介

(個別にお問合せください)