遠藤 登(保育士 / 防災士)

代表:遠藤/専門:保育の安全管理・衛生管理/保育事故の対策、感染拡大の予防、医療的ケア児ほか障害児の増加など医療との関わりが深まる一方の保育の社会課題の解決にむけて、保育園看護師の業務改革ほかリスク管理が巧みな保育運営をサポート

保育安全のかたちセミナー「保育園看護師(保育業専門看護職)キャリアアップ講座」全日程終了

全終了名古屋会場(名古屋市公会堂)保育園看護師(保育業専門看護職)キャリア入門講座 2月23日(日)10:00~12:00 名古屋初開催!4,000円(税別) https://child-care.ne.jp/onlinekango 全終了東京会場(渋谷)保育園看護師(保育業専門看護職)キャリア入門講座 5月26日(日)10:00~12:00(終了:評価 8.6点 /10) 6月23日(日)10:00~12:00(終了:評価 8.3点 /10) 7月14日(日)10:00~12:00(終了:評価 8.75 ...

保育園の午睡にベビーセンサーは必要か?保育園のベビーセンサーの望ましい使い方:前編

「保育園にベビーセンサーは必要か?」  保育園の導入事例が増えるに比例して、導入を迷う声も聞かれます。それは保育現場に選択肢に対する情報が満足に共有されていないことが一因ですが、2018年末時点の答えはというと「なくても構わない」ものです。ベビーセンサーに限らず「IoT関連商品」は保育者の業務軽減が役割とされています。 保育者の睡眠の見守り業務は子どもの命を守ることです。しかし現時点のベビーセンサーは子どもの命を守ることはできません。 2019年2月に神奈川県で開催される認可外保育所職員向けの研修(保育園 ...

保育園は飛沫感染や接触感染が生じやすく空間除菌商品は購入しないことが正解

 インフルエンザやノロウイルスが流行る時期になると、置くだけで空間除菌ができるという商品が毎年のように売りにだされ、購入する保育施設も少なくありません。「置くだけ」で感染予防ができるなら、保健衛生的にとてもありがたいことですが、残念ながら国民生活センターほか消費者庁が置くだけの空間除菌商品に根拠はない(効果がない)と結論付けました。 ただの「雑貨」として売られていながら、保育施設で予算をとってまで購入するのは、過去に「次亜塩素酸ナトリウム」が使用された空間除菌商品があったことや、「二酸化塩素」に対する保育 ...

保育園給食の高温スープを1歳児にこぼさせた火傷事故の要因の予測と再発防止策

 愛知県知多市にある保育園で1歳児が大やけどを負うといった事故が発生しました。会見によると「子どもの手の届く範囲にカートを入れたのは落ち度があった。救急車を呼ぶべきだったが、職員の車で搬送してしまった」そうです。また保育士が目を離した隙に、給食を運んだワゴンの上の鍋に1歳児が手を伸ばしたことでスープがこぼれたことから、知多市幼児保育課からは給食用のワゴンを子どもに近づけない、スープの温度を下げるといった指導が行なわれています。 子どもが高温火傷を負うといったような事故は、ほかの種類の重大事故に比べてきっか ...

さいたま市保育園のプール死亡事故報告書を読み解いて安全なプール開きを実施しよう

 猛暑が予想される今夏。梅雨明けとともに水あそびやプール開きを考えている保育施設も多いことでしょう。同時に水あそびの規模やプールの大きさに照らして一律に安全対策を求められても困ると感じている現場の声もお聞きします。しかしプール開きにあたっては「私たちは大丈夫だから」ではなくて、客観的に大丈夫と検証できるように備えることが大切です。 2017年8月に発生したプール死亡事故の「監視の目を離さない、水面から目を離さないことを徹底していたが穴があった」(園長談)という穴とは何だったのか、すべての保育施設で子どもた ...

教育・保育施設職員向け研修の事故発生対応シミュレーション映像の教材を作成&公開

(株)小学館集英社プロダクションと(株)保育安全のかたちが提供いたします。  “ ShoPro らしいエデュテインメントを創造し提供し続けます” を理念として掲げる株式会社小学館集英社プロダクション(本社:東京都千代田区、代表取締役:都築伸一郎)と、保育園の安全管理マニュアルの改訂など危機管理業務支援ほかヒヤリハット分析、事故検証による改善支援をおこなっている株式会社保育安全のかたち(本社:東京都世田谷区 代表取締役:遠藤登)は、 保育所・幼稚園・子ども園の職員が保育活動の緊急事態に望ましい対応を行なうこ ...

保育事故を SHEL分析で検証する。6つのエラー項目と要因について

 認可保育園、認可外保育園で重大事故が発生した際の報告義務化とは、ただ事故の状況説明が求められているわけではなく、再発防止に向けた事故検証が行なわれる際の適当な情報を提供することに目的が置かれています。保育に留まらず、社会全体で子どもの事故・虐待による死亡事例を検証する制度(CDR)の整備が進むことからも重要なテーマと考えられます。 保育事故では事故件数や発生場所のほか、原因物質や傷害の種類などを分類して要因を導く定量分析が一般的ですが、重大事故では、その事故の根底にある要因を深く掘り下げる定性分析の手法 ...

ベビーセンサー:睡眠の見守り行為を補足する製品を導入する場合の考慮ポイント

 保育園のお昼寝時間に、「うつぶせ寝による窒息が疑われる」死亡事故の発生が度重なっていることから、お昼寝時間の保育者の見守り方法に大きな注目が集まっています。うつぶせ寝の防止などルール化されているものの、昨今、保育現場の人手不足が深刻なこともあって、俗に「ベビーセンサー」と呼ばれる保育者の見守り行為を補足する製品の導入が進んでいます。 このベビーセンサー(以下、お昼寝時間の見守り行為を補足する製品)類の機能説明にある、「眠っている乳児のカラダの動き、呼吸の停止や継続的なうつ伏せ寝状態を検知した場合に警告を ...

保育指針の健康及び安全につながる保育の事故防止ガイドラインと省令の枠組み

 平成30年改定の新保育所保育指針では、保育の安全にまつわる「健康及び安全」が第5章(全7章)から第3章(全5章)へ移動するとともに、具体的な備えとして「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン」でピックアップされた「睡眠中、プール活動・水遊び中、食事中等の場面」の重大事故に関する項目が追記されました。 保育指針に具体的な事象が記載されたということは、保育活動を通じて事故が発生した場合の対応だけに留まることなく、日ごろの保育そのものにおいて、安全対策が基盤にあると揺り戻る形 ...

さいたま市保育園のプール死亡事故の報道から見えた危機管理の問題点

 2,016年7月に発生した認定こども園のプール事故につづいて、2,017年8月にさいたま市にある保育所プールで重大事故が発生しました。前者の事故が、33人の園児が50センチ以上の水かさのプールに入水し、保育者が2名だけであったことが事故を防げなかった原因のひとつとして検証報告が行なわれたものの、教訓は生かされることがないまま死亡に至りました。 監視担当であった保育者2名ともが、子どもたちが入水している最中にプールに備え付けてあった滑り台の片付け作業を行なったそうで、子どもたちから目が離れたことが今回の重 ...

保育中のプールあそびでうつ伏せに溺れた子どもを救助する場合の心肺蘇生

 本格的なプール開きにあたって、プールで溺水事故が発生したときの救命処置についてお届けします。保育施設のプールあそびについては、まず溺水事故の発生そのものを予防するべく回避策を盛り込んだ計画と実施が望ましいですが、実施する以上、事故が発生する可能性はゼロにはならないので、発生時対応の心得と準備を行なっていくことも忘れてはなりません。 今回はイメージしやすいように、NPO法人Love & safetyおおむらが作成した動画(本編は巻末)を許可をいただいて掲載します。動画の内容を切り取って解説するとと ...