Twitterにみる東日本大震災で帰宅難民の不安に応えた保育園や職員の姿

2011年3月14日

2011年3月12日午後に、宮城・石巻港近くの岸壁で孤立していた幼稚園児11人を含む、32人が無事に救助された旨が報道されました。子どもたちも、よくがんばりましたが、当該園長以下、目の前の子どもたちを元気な姿でご家族に引き渡す一心だったとしても、職員自身も危険にさらされた中で無事にやりすごすことは、けっして簡単ではなかったはずです。

今回の東北関東大震災(東日本大震災)では、帰宅できない保育利用者(「帰宅難民」)が数多く出ました(3月11日時点)。その帰宅難民のお子さんたちをお預かりして、その大規模災害時でも安全な保育に務めていた、保育園や幼稚園職員の(主にお泊り対応の)様子について、一番幅広くリアルな声を届けたであろう(Twitterの)ツイートの一部をご紹介します。

東日本大震災で帰宅難民に対応した保育園のツイート

あたしの実家は宮城県仙台市。仕事は保育士で、当日の夜は電車が動かずお迎えにこれないご両親が多く、朝まで保育をしていました。情報がなく、余震が続く不安な夜に、TLを覗いたら、とっても救われました。ありがとう。実家は無事ですが、友達は間違いなく津波の被害にあってる。ただ無事を祈る。
https://twitter.com/#!/go_yukirin/status/46804215078715393

地震の時、お昼寝中でした。怖くて泣く子、何だか分からない子、様々でした。保護者がお迎えに来られない子は保育所にお泊りでした。 明日から保育しますが、大きな余震が無いと言えないし、色んな面で不安もあります。。。(・_・、)でも子供達に不安感を与えないようにしないと
https://twitter.com/#!/una4473/status/46765524318830592

地震の日、都内で働く友人が保育園に通ってる息子くんをお迎えに行けたのは深夜1時だったそうです(パパさんは帰れなかったらしい)・・・ママも息子くんも保育士さんも頑張った!!このメール貰って涙が出た。
https://twitter.com/#!/sea_wind_sky/status/46722994411806721

保育園で聞いた話。昨日のお迎え、最後の子は0時近くだったそう。共稼ぎで都心から、お母さんが歩いてようやくたどり着いたそうです。待っていた子も、お母さんも、保育士さんも、偉い。
https://twitter.com/#!/k_norihara/status/46538310595784704

テレビを見ていても悲しくて涙が止まりません。献血ルームにせめてでも行こうと思ったら鳩ヶ谷の近辺には全く無くて・・・。弱い余震はまだまだ続いています。昨晩市の保育所で一番遅いお迎えは夜中の3時をすぎたそうです。保育士さんも子育て支援課課長も最後までいたそうです!
https://twitter.com/#!/yuko_goes/status/46450943734202368

保護者もお迎えに来られないよね。保育園にお泊まりでした。そのまま土曜保育にはいったけど…昨日あんな狂い泣きだったのにみんなもう笑ってるし。よかった。それにしても駅から6時間半かけて歩いて夜中にお迎えきたパパ…素敵でした。
https://twitter.com/#!/menou_kohaku/status/46359186015125505

保育園に姪を迎えに行くにあたって、姉からお迎え依頼メールを貰った。これを見せて保育士さんに姪を引き取らせて貰う段取りだったけど「母親に頼まれて迎えに来ました」って言った時の保育士さんのホッとした顔が忘れられません。
https://twitter.com/#!/rilattuma/status/46233158898819073

横浜から歩いて帰る途中9時近く、電気のついた保育園があって中を覗くと小さい子が元気に遊んでいた。きっとお迎えのお父さんお母さんを待っているのだろう。あの子達はお家へ帰れたかしら?保育士のみなさんも大変でしょうが、よろしくお願いします
https://twitter.com/#!/bcm69/status/46225582958190593

「受け入れ施設一覧(22:25)/横浜市 帰宅困難者の皆様へ」「基本的に各保育所では保護者の方がお迎えにいらっしゃるまでお子様をお預かりいたします」とのことです。子供たちが早くパパやママに会えますように。保育者の方たちも頑張って下さい。
https://twitter.com/#!/hopetrue/status/46202988796182528

【足立区】区立各保育園・幼保園・小中学校・学童保育室で、お預かりしているお子さんについては、保護者の方がお迎えに来られるまで各施設で職員がお預かりしています。 連絡の取れる状態になりましたら状況を各施設にご連絡いただきますようお願いいたします。
https://twitter.com/#!/RosSoMax/status/46194388904312832

きっとお迎えを待ってる保育園の子供達がたくさんいる。がんばってほしい。保育士さんも。
https://twitter.com/#!/takadaa/status/46171820306608128

保育園では地震の影響でお迎えに来てもらえない園児達がお泊り保育をしていました。職員の皆さんが夕食の準備に追われていました。臨時で出勤してきた職員さん達もお泊まりです。
https://twitter.com/#!/hemuko/status/46166877021552640

ただ、お泊り保育の準備もなく当方もかなり混雑している状況。泊まる前提というより最大限の努力はして頂きますようお願いします。
https://twitter.com/#!/lilliput_baby/status/46162001298329600

地震当時、怖いとか以前に子どもをどう笑わすかとかしか考えてなかった。子ども達はいつもと違う夕方保育のおやつ(実際はお泊まり覚悟の夕飯)とか一人っ子が友だちと夜も寝られるってことで喜んでいたのはまあ不幸中の幸い
https://twitter.com/#!/BBSLEVEL/status/46827913496117248

私達保育士は、何があっても子どもたちを安全に親元に返す。そして泊まりのまま今日も園をあけて受け入れた先生もいる。それぞれが出来る事をしているんですよね。あきよしくんの思いが被災地の皆さん、不安を感じている皆さんに届きますように…
https://twitter.com/#!/ai_fujiyama/status/46650830945910784

報告まとめ。先日から励ましのツイートくれた皆さま、本当にありがとうございました。昨晩は親御さんが帰宅困難で迎えに来れない児童達と急遽お泊まり保育でした。おかげ様で、今日の午前中に全ての児童を無事に親御さんに引き渡す事ができて、子ども達全員怪我もなく、ホッと一安心な気持ちです。
https://twitter.com/#!/Ankitsukai/status/46604618263830528

叔母が保育士やってますが、帰って来れない親がたくさんいたそうです。保育園の職員みんな、総動員でお泊まり体制だったらしいです。たくさんそういうところがあったと思いますが、ほんとお子さんも職員も頑張った。そう思います><
https://twitter.com/#!/tanakurona/status/46536651459149824

昨日、母が勤める保育園で家に帰れない男の子がいたそうです。偶然両親共出張で遠くにいて帰れず、園長・保育士2人・栄養士1人と一緒に保育園に泊まったんだそうです。ママは?と何度も悲しい顔をしながらも泣かずに頑張ってたとか。小さいのによく頑張ったね!自分の子が…と思うと泣ける(T_T)
https://twitter.com/#!/saoriijichi/status/46534974903566336

うちの保育園は私が迎えに行った時に迎えが来ない子の為にお泊まり保育の準備とおにぎり作りをしてました。たどり着いた父兄にも食べさせるからいっぱい作らないと!と言ってたYO
https://twitter.com/#!/okusama27/status/46437449903243265

母の勤務先の保育園では、親御さんが引き取りに来るまで保育士の皆さんが頑張っている模様。ご自身が帰宅難民の保育士の方もいるようで、泊まり込みになるようです。明日は卒園式なのに、大変そうです。徒歩で帰宅できるうちの母はとりあえず自宅待機してます。
https://twitter.com/#!/lotoinloto/status/46241414710968320

とりあえず今日は迎え来なかったら保育室に泊まりだな。
https://twitter.com/#!/pika_23/status/46204925214064640

保育園では 都心から帰れなくなったおうちの子たちがまだ10人くらい残っていました 今夜は園長みずからお泊まり保育をしてくれるそうです 温かい。うちもそうだけど身内が近くにいないおうちにはとてもとてもありがたく身に染みるのす でも電車も少し動きだしましたね
https://twitter.com/#!/minofx/status/46180386883108864

(ツイートの引用はここまで)

社会インフラのひとつとなった保育園と保育者の想い

このように、まだまだたくさんの保育園、そして保育士たちが子どもたちのために、そして、懸命に我が子を迎えにいこうと思いながらも、先に進むことが叶わず、歯がゆい思いをしているご家族のために、覚悟を決めてがんばってくださっていた様子が伺えます。

このとき保育園は、単なる子育て支援施設に留まらず、立派な社会インフラのひとつとして機能していました。一般的な避難訓練では想定できていなかったことも多かったことでしょう。しかし子どもを守る、その熱い保育者の想いがあふれていたように思います。

災害リスクに対する保育のリスクマネジメント

週末を終え、直接的な被災地を除いた関東圏では、とりあえず以前までの日常を取り戻そうとする動きがはじまりました。そんな中、給食の食材が手に入らなかったり、職員の出勤が儘ならなかったり、今後しばらくの計画停電など、保育園も難しい対応を求められています。

ツイートの数々に見られた保育施設の対応は素晴らしいものでした。反面、保育者自身も被災者となる難しい局面に対して、使命感や悲壮感だけで保育をがんばりすぎても力尽きてしまいます。しかし職務において、個人的事情は横に置いて、上記のような対応を行なう義務があるともいえます。割り切りすぎては、社会の求めに応じた保育園の役割は果たせません。

東北(東日本)大震災の経験をふまえて継続した議論を

個別に対応しなければならなかった危機を臨機応変に乗り切った今、ぜひ、災害時の保育が、どうあるべきか、みんなで知恵を出しあって、子どもたちの、さらに曇りのない笑顔を取り戻してあげることをお願いしたいと思います。

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保育安全のかたち

代表:遠藤/専門:保育の安全管理・衛生管理/保育事故の対策、感染拡大の予防、医療的ケア児ほか障害児の増加など医療との関わりが深まる一方の保育の社会課題の解決にむけて、保育園看護師の業務改革ほかリスク管理が巧みな保育運営をサポート

-保育防災と事業継続計画をつくる
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