本セミナーの実施内容 | 3月1日(日) 東京開催 | 2月23日(日) 名古屋開催 |
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演習:ポケットマスク活用の心肺蘇生 | 〇 | 〇 |
講義:午睡時間の安全管理 - 失敗事例との比較 | 〇 | 〇 |
講義:給食時の気道内閉そく (気道内異物とアレルギー疾患に伴う閉そく) | 〇 | - |
演習:異物除去の手技練習(シミュレーション) | 〇 | - |
救命講習で学ぶ救命処置は、一般市民の善意による行為と、仕事上の安全管理の法的義務にもとづいた専門技能との、2つにわけられます。保育園看護師や保育士等のみなさんは、後者の救命講習を受講することによる技能の理解と習得が求められます。
本セミナーは、保育施設における死亡事故の8割にのぼる、午睡時の安全対策の失敗事例をふりかえりながら、子どもの生命保持の可能性を大きく高める救命処置の習得を目標として、東京と名古屋で開催いたします。
技能向上セミナーの参加費について
(定員締切)東京会場:渋谷駅周辺会場 時間:10:00~16:00 講習 5時間+昼休憩 1時間 | 参加費:8,000円(税別) ※1. 過去参加者特典 |
(定員締切)名古屋会場:名古屋市公会堂 集会室 時間:13:00~16:00 講習 3時間 | 参加費:5,000円(税別) 詳細はこちら |
保育園看護師・保育士等の救命技能向上セミナーの趣旨
「心肺蘇生は間違えても責任は問われない」・「心肺蘇生に人工呼吸は必要ない」?
そんなことはありません。保育園看護師や保育士等の施設職員は、重大事故(※)の回避を目的とした安全管理上の法的な義務にしたがって、保育現場で多い事故を減らす、子どもを死なせないように努めるとともに、事故発生にそなえる必要性から、救命処置のプロセスの適当さが問われたり、近年では業務過失が認定される事故事例があることを忘れてはなりません。
出典:特定教育・保育施設等における事故の報告等について(内閣府)
※ 報告の対象となる重大事故の範囲
・死亡事故
・治療に要する期間が 30 日以上の負傷や疾病を伴う重篤な事故等(意識不明(人工呼吸器を付ける、ICUに入る等)の事故を含み、意識不明の事故については、その後の経過にかかわらず、事案が生じた時点で報告すること。)
午睡環境アセスメントから迅速な救命処置へつなぐ
救命処置においては「緊急性の判断」を身につけることが推奨されます。目の前の状況から「救急車を呼ぶべきか」、「病院へ連れて行くべきか」、くわえて「判断がつかない場合にはどう行動するべきか」について学習し、保育現場にてらした実践的なトレーニングを積んでおくことで、保育の専門技能に見あった対応ができるようになることが期待できます。
保育施設における死亡事故の8割にのぼる午睡時の事故を減らす、子どもの命を守るためには、定期的な睡眠チェックを通じて、午睡環境をアセスメント(評価)することによって、呼吸停止(心停止)になってしまう前に動き出せる体制をつくることが大切です。
睡眠チェックとして行なってほしい午睡環境のアセスメントについて、大切なポイントを解説するとともに、回復しやすい状態で子どもを救急隊に引き渡せるよう、質の高い人工呼吸の習得もめざします。
本セミナーでは、『ポケットマスク』という感染防護具をつかった人工呼吸法を練習します。
ポケットマスクがなければ、事故の状況しだいで、子どもの救命に必要とされる人工呼吸を行なえない場面がでてきてしまいます。
子どもの重大事故に、人工呼吸はできるかぎり省きたくありません。いつでも質の高い人工呼吸ができるように、ポケットマスクを使った人工呼吸の習得をおすすめしています。
※ セミナー中は消毒済みポケットマスクをお貸しします。
東京会場のみの「給食時の気道内閉そく」について
気道内閉そくというのは、気道(口鼻から肺にかけての呼吸の通り道)が塞がれてしまうことを言います。
給食時に気道閉そくが発生する原因といえば、分かりやすいところでは、食事がノドにつまるケースです。また近年は、食物アレルギーをきっかけとしたアナフィラキシー症状によって、ノドが腫れ上がって呼吸困難になるケースが知られています。これらは気づくだけでは子どもを助けられないので、保育施設において万全な救護体制が整っている必要があります。
食事がノドにつまった場合の応急手当といえば、背中をたたきますが、そもそも給食とは、保育施設の、集団保育による食事であるため、救助者個人のスキルとして応急手当ができるだけではなく、実際の食事環境や子どもの動向をふまえて、子どもを支援する保育者ならではの配慮こそ必要です。東京会場では、すでに多くの受講者に好評いただいているシミュレーション手法をもちいて、給食時の環境構成の改善にむすびつくヒントをもちかえっていただきます。